運命の恋は健康診断から始まる
そして来てしまった土曜日、私は一駅だけ電車に乗り宗一郎さんの家の最寄り駅だという駅で降りる。
私の家から一駅だし、意外と近くに住んでるんだなと思いつつ駅を出る。
「あ、歩ちゃん」
キョロキョロしていると後ろから名前を呼ばれて振り返ると、優しい笑顔を浮かべた宗一郎さんが立っている。
黒いコートにグレーのセーターにジーンズという格好の宗一郎さんは、やっぱりかっこいいなと思う。
大人の男の人って感じで素敵だ。いや、大人の男の人なんだけど。
「あ、こんにちは。わざわざ迎えに来ていただいてすいません」
「こんにちは。こちらこそ、こっちに来てもらってごめんね。……かわいいね」
そう言われて宗一郎さんを見上げるとじっと私の事を見つめていてドキッとする。