運命の恋は健康診断から始まる

「でも、まだどうこうはなってないんですね」


一ノ瀬ちゃんの言葉に私は深いため息をつく。


「うん。なんか……悩んでる、かも」


そう言うと一ノ瀬ちゃんは驚いたように私の顔を見た。


「横川さんがですか?」


「あ、ううん。宗一郎さんが」


一緒に過ごす時間が増えるほど、宗一郎さんは何か考え込んだり、迷ったりしてる時間が増えているような気がする。


いっそ私から気持ちを伝えてしまおうかと思った時もあったけど、宗一郎さんの困った顔が目に浮かんで言えずにいる。


宗一郎さんの笑顔が好きだから、そんな顔は見たくないなと思うと勇気が出ない。


「横川さんと年の差もあるし、自分はバツイチだしってことで踏み込めずにいるんですかね。なんか、やっぱり真面目な人ですよね、高倉さん」


「そう、なのかな。嫌われてはないと思うんだけど」


会う時は私なりにおしゃれしてるけど、やっぱり私みたいなのには食指が動かないんじゃないかな。


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