俺と元カノとストーカー
『それにしても君、個性的な服装してるねー! 17歳って高校生でしょ? スゴいね。』


当時の俺は年齢が若くて顔立ちも非常に童顔だったにも関わらず、絵に描いた様なモード系の服装をしていた。


コム・デ・ギャルソンの服をこよなく愛し、お年玉やバイト代を使って明らかに金銭的に背伸びをした値段の物を買っていた。

そんな俺の服装が彼女には物珍しかった様で、ジロジロと見られた。

『俺、服ぐらいしか好きな事がないから。』

その俺の言葉がどうも悲しげに感じたのか、彼女は俺の頭を撫でながらヨシヨシってしてくれた。


でもそれが恥かしくって俺は軽く彼女の手を振り払ったんだ。

『ごめん、嫌だった?』

『嫌じゃないんだけど、何か子供扱いされてるみたいで、ちょっと抵抗がある。』


何故だか、この時は【恥ずかしい】ってフレーズを使うことさえ恥ずかしかったんだ。
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