君を忘れる方法


放課後、私は思いきって話しかけた。


「遥希ー?」


「んー?」


「何か考えごと?」


「え?」


驚いた顔をしてる。


そりゃ、そうだよね笑


「考え事してる時、いつも耳触るでしょ?だから。」


「知ってたんだ...。これ気づいてくれたの美音だけかも。」


そーやって笑わないで。


私はあなたへの気持ちは消すって決めたから。


「う、うん。それで何があったの?」


「俺さ...好きなヤツいるんだよね。」


顔を赤めて言う彼。


あぁ、好きな人...。


「好きな...人いた、んだ。」


「うん。今はアメリカだけどさ。」


あぁ、だからいつも空を見てたのか。


そんな切なそうな顔で。


「そっか。」


「もうすぐなんだよ。帰ってくんの。」


もうすぐ...。


「伝えるの?好きって気持ち。」


「ううん。」


私はその答えに驚きを隠せなかった。
< 30 / 58 >

この作品をシェア

pagetop