君を忘れる方法

「ねぇ、美音?」


「んー?」

「こんな時にあれなんだけど...。」


申し訳なさそうに話す奈々美。


「なーに!奈々美らしくないなぁ笑」


「遥希の好きな人が帰ってくるの明日なの。」


私の頭の中は凍りつきそうだった。


「そっか...。」


「美音は会えるの?」


「うん...。今は遥希とも大丈夫だから。」


「そーやって自分の気持ち隠すの良くないよ。」


いつも奈々美の言うことは正しい。


「そーだね笑。私って臆病だからダメなんだよなぁ。」


「遥希にぶつかってみなよ。」


「え?」


奈々美...。


「ぶつかってちゃんと自分でけりつけな。」


それだけ言い、授業が始まる前に出ていってしまった。


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