sweetlove
「光月ちゃん、みずきちゃんのこと、頼める?俺ら部活行くから…」と副キャプテンは言った。

「えっ?河野さん…来てたの?!見なかったけど…」と保険医がいう。

「上履き隠されてました。それを一緒に探してたらこんな時間に…」と副キャプテンは軽く言った。

そして、「落ち着いたら、おいでね。待ってるから」そう、言い残して、みよりと副キャプテン保健室を去っていった。

その頃ー

体育館では副キャプテンが岬さんに私の話をしてくれていたことを私はまだ知らない。

「何があったの?」と保険医が聞いてきた。

私は昨日の帰りのこと、そして今朝のことを話した。

また登校拒否にだけはなりたくない…。けど、学校に来るの、正直辛い。

保険医にその事もちゃんと伝えた。

「そっか…。けど、無理はしなくていいよ?大好きなバスケで、ギャフンと言わせてやるか?」と笑ってくれた。

そーだよね。私の唯一の取り柄はバスケなんだもん!こんなことでいつまでもくじけてられないよね!!

何だろう…。保険医に言われるとそう、思えてくる。

よし!私は気合いを入れ直して、保健室を後にした。

背中越しに頑張れという保険医の声が聞こえた。

私は、ありがとうございますとだけ言って、向かったのは体育館。

大好きな音が響いてた。

『また来てるよ…あの子、懲りないね~下手くそなのに…』

私に聞こえるようにわざとあんなこと言ってる。

『キャプテンもキャプテンよね!!何であんな地味な子…』って。

私はそっちに対しての方が気分悪かった。

確かに地味かもしれないけど!!

私はとりあえず、無視しながら、

「遅くなりましたー」と私は言った。

「もう大丈夫なの!?みよりんと大智(ダイチ)に聞いたわよ…」と女バスキャプテンが言ってくれた。

大智(ダイチ)さんは、男バスの副キャプテン。

「はい、ご心配、ご迷惑おかけしました」と私が頭を下げると、

「さぁ、これでメンバーは揃ったわね?練習するわよ~」と女バスキャプテン、綾子さんは、言った。

基礎練習をものの数分しただけで私の体はコツを取り戻した。

中学時代から化け物扱いされてきた私にとって、これくらいの練習対したことないと思えるほどだった。

皆と一緒に練習が出来て楽しくてしょうがなかった。

あっという間に一時間が過ぎた。

周りが騒がしくなったころ、休憩を少し挟み、男子対女子のミニゲームをすることになった。
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