sweetlove
「あの!」と私は勇気を出したのに…無視された…。

どころか、『言い訳すんな』って。

何よ…話ぐらい聞いてよ…

私の好きな岬さんはそんな人じゃなかった!!

そしたらいきなり、ダイチさんにケータイを奪われた。

「決着つけさせてやるから来い…」なんて挑発的な言い方。

Sっぽい発言に私はドキドキする。

場所を伝えると、強引に電話を切ってしまった。

「さてと、指定場所まで移動するよ!」とダイチさんは、言って私の腕を掴みながら、少し走るようにしながら向かった。

着いた場所は…ストリートバスケが行われる公園。

昔は私も涼と一緒に来たっけ…とか思い出に浸っていると、

「おい、みずきから離れろ…」と岬さんの声が聞こえて、我に返る。

そうだったー私、ダイチさんに手繋がれたままだった。

そう思うと急に恥ずかしくなった。

「きたきた、遅いよ~」と呑気に言ってるダイチさん。

てか、岬さん…私服…カッコいいんですけど!!(笑)

「なんだ?随分と…何か言いたげだな?」と岬さんは言って私を睨む。

いえいえ、そんなことは…純粋に私服カッコいくて見惚れてただけなんですけど!!

「意外とオシャレさんなのね…。まぁ、座ろうよ」そうダイチさんは言って私たち3人はベンチに座った。

「覚えてるか?入学したときのこと…俺は、みずきちゃんと同じような状況で苦しんでたとき、お前がかけてくれた言葉…」とダイチさんは言いながら空を見上げる。

辺りは少し暗くなっていた。

「ああ、懐かしいな。俺がお前を守る!だっけ…?ダサいよな…」と岬さんは照れながら言った。

「あの時、お前にそう言って貰えて無かったら俺はバスケをしてなかったかもしれない…。みずきちゃん見てると、あの時の自分にどこか重なるんだよ…だから、無償に構いたくなる」とダイチは言った。

「だからって、人の女デートに誘ってんじゃねぇよ」と岬さんが言うと、

「ゴメン。最初チョイ、ナンパ風に言ったら断られたんだけど…相談があるから付き合ってほしいって俺が無理やりね」とダイチさんは、言って笑った。

「なぁ、あの時の俺って怖いもの知らずだったよな…先輩に歯向かってメンチ切ったりしてさ…」と岬さんは言って、空を見上げている。

何なの?!私を挟んで二人で昔話しないでよー

「ああ、先輩にタンカ切るし、怖いもの知らずでガンガン行くし…怖かったよ。けど、お前はどんな時もそばにいてくれたじゃん。俺がいじめられてりゃ、助けてさ…先輩相手にもろともせずにぶち当たって、言い争いしたりさ…あの時、カッコ良かったよ。って今でもだけどね」とダイチさんは、言った。

そっか…変わらないんだ…岬さんはずっと。

「だからさ、今度は俺にも少しくらい守らせてよ。岬の大切な人…」とダイチさんは付け加えた。

「だな…。卒業するまでは、多分状況変わらず辛い想いをさせるかもしれないからな…」と岬さんは言った。

そっか…そーゆうことなんだ。

二人には何ににも変えられない強い絆があるんだね。だから、私守られてるんだ…

「って…ゴメンな?俺ら…昔話してるよな。ちょっとみずきちゃんいるの忘れてた」とダイチさんは言った。

「いえ、そんなこと無いですよ!嬉しいです!!二人の話聞けて…」と私は言った。

本心から。

「お二人は凄く信頼しあってるの、わかります。練習見てても…」と私は言った。

「ああ、だな。本気で俺はそばにいてほしいって思ってるからなー」とダイチさんは言った。

良いなぁ~

「…帰ろう?俺はダイチも大事だけど、彼女の方がもっと大事!!」と岬さんは言ってくれた。

そして、私たちは手を繋いで帰ることにした。

「ダイチはどーする?」って岬さんは言う。

「あー、俺?俺は…もう少ししたら帰るから…」とダイチさんは言った。

そして、私はダイチさんにお礼と挨拶をして、岬さんと一緒に家に帰った。
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