sweetlove
私達は見つからないように遠目から見守りながら二人の時間を楽しむ。

いい雰囲気に見えた。

「これ可愛い」とみよりが言えば、

合わせてあげれるダイチさんはさすがだと思う。

岬さんはどうだろう?合わせてくれるかしら?

「買えば?」で済まされそう。

けど…いいなぁ。ああやって、二人で楽しそうに買い物出来るの。

あーゆうデートこそ理想だわ。私は岬さんとのデート中であることを忘れ二人に魅入ってしまった。

「おい!」と岬さんは私を呼び肩を抱き寄せた。

いきなりのその行動に凄く驚いたが、

『俺の存在忘れるな』なんて耳もとで囁くからズルい。

そして触れるだけの優しいキスをされた。

チュッって。けど…周りは見てみぬふりなのか、さほど気にならないのか何も言わないし、突き刺さるほどの痛い視線も感じなかったので顔を赤くしてうつむいた私。

「あいつら移動するぞ」としれっと言ってくる。何事もなかったかのように。

何これ?!恥ずかしいの、私だけ?

岬さんはやっぱり意地悪だ!

そう想いながらも、私達も動き出す。

さっきまで手を繋がれていたはずなのに、今は腰に手が回ってる気がする。

それはさすがに歩きにくいし、恥ずかしいので私は岬さんを引き剥がし手を繋いだ。

端から見ればダイチさんとみよりはラブラブなカップル。

優しい彼氏なんだけど…何であそこまで自然に出来てコクれないのか私には不思議でならなかった。

最初はぎこちなかった二人だったけど、今は凄く楽しそう。

私達は少し安心して顔を見合わせた。

どちらかと言うと、私たちのほうが恋人ぽくないかも。

へこんでたらいきなり、「さて、そろそろ行ってあげますか‼」と岬さんは言った。

私の手をとるといきなりダイチさんの方に向かった。

「よっ!楽しんでる?」って。

ちょっと白々しいのよね。

「おかげ様で」と笑ってるダイチさん。その横で照れながら頷いてるみより。

「うっし、じゃぁ俺らも混ぜろ‼」ってだから何であなたはいつも上から…

私の心の叫びである。

「おう」とダイチさん。どこか嬉しそう。

「あのね、みずき、私ね、みずきとお揃いのものを何か買いたいの!せっかくだから」とみよりは言ってくれた。

すごく嬉しかった。

そして私達は男どもをおいて歩き出した。

私とみよりは嬉しくてメチャクチャはしゃいだ。

帰り道ー

ダイチさんの覚悟を見た。意を決してダイチさんはみよりに告白した。

「…好きなんだ。俺、みよりちゃんが‼俺と付き合ってくれないか?」と随分ストレートに。

顔を真っ赤にしてコクコク頷くみよりは可愛い。

「おー、やっと言いやがった。長かったね~」と岬さんは言う。

「オメデト。今日、二人のデート見てて羨ましかった。理想的で。私、ダイチさんみたいな人と付き合えてたらまた少し違ったかも!って思った」

私は正直にそう言った。

「ホント?ありがとう!」とダイチさんは笑う。同系の私達、考えてる事は多分同じなのだろう。

「あ?テメェ喧嘩売ってんのか?」ってほら、やっぱり岬さんはこの反応。

「みずき酷い!何でそんなこと…やっぱりダイチさんのこと…」とみよりは言う。

ほらね、2人とも同じような反応するのよね!

「俺ら似てるからしょうがないじゃん!相性いいんだよねぇ〜」と笑いかけてくるダイチさん。

これは完全なる岬さんへの挑発…

「挑発してんのか?」ほら、岬さん怖い。

「あ?マジだよ。何で俺じゃないのかな〜って。もう少し早く出逢ってたら間違いなく俺じゃない?」とか言ってるし!ダイチさん。


もう止めてよ〜ほんとに怖いんだから!

そう思って見てると、ギュッとみよりがダイチさんに抱きついた。

「やめてください…そんな事言うの…」って。

ヤバイ、マジ可愛すぎ!

「冗談だよ!イヤ、何処かでそう思ってたことあるけど。俺、みよりが好きだしね?」と少しうろたえ気味に言うダイチさんも素敵。

いつの間にか呼び方も呼び捨てになってる。

「もー、みよりんホント、可愛すぎ~」と岬さんは頭をくしゃくしゃしている。

「大丈夫だよ‼二人は相思相愛、深い愛で結ばれてる」

なんてよくもこんな恥ずかしいセリフが言えたものだわ、私。

「俺らは深い絆で結ばれてる!な?岬」と話を振るダイチさん。

「当たり前だ。これからも俺らは親友!俺はお前と、みよりんを守ってく!」とかくっさいセリフを岬さんが言うもんだから、

「えー私のことは守ってくれないの?」と私は言ってしまった。
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