sweetlove
third
夏休みが明け、私と岬さんはいつものように登校した。

クツ箱に上履きは無く、どころか1枚の写真が入っていた。

写真を手に取り震え出す岬さん

逃げ出したかった。男と抱き合ってる私の写真…。

卑劣過ぎる。私の体は崩れその場に経たりこんでしまう。

溢れる涙…止めどなく流れ出る。

そこに現れたダイチさんとみより

「みずき?どーしたのよ!」とみよりはおはようの挨拶よりもさきに聞いてくれた。

ダイチさんは私を優しく立たせてくれた。

「上履き、またなくて…」と私が言うと、

「はあ?また…?って何で泣いてるのよ?」とみよりは言う。

それに合わせるように岬さんは写真を渡した。

「「これは?」」と声を揃えた二人。

「みよりのクツ箱入ってた。上履きの代わりに」と岬さんは言った。

「あ?マジかよ…これ合成じゃないの?」というダイチさんに首を横にふる私。

「えっ?合成じゃないの?どーゆうこと?」とみよりは聞いてきた。

私はそのままその写真を奪うと、裸足でその場から逃げ出した。

階段を一気にかけあがり、屋上の扉を勢いよくあけた。

無心でここまで来てしまった。

私は地べたに座り、空を見上げた。

朝から照りつける太陽は体をジリジリ焼いていく。

『何でよ…何で私がいじめられないといけないわけ?岬さんと付き合ってるから?もうやだよ!ほんとに』

私はそう思う。いっそのこと、岬さんと別れたら楽になるのかしら?

岬さんにこんな形で彼のことばらされるなんて思いもしなかったし!

けど、あの写真の人は岬さんは知ってるはず。

私の4つ上の先輩だけど、涼のお兄さんだもん。

けど、不覚だった。考え方が甘かった。

昔から好意を持っていた私たちは当たり前のように抱き合ってた。

ううん、あまりにも辛そうで、ほっとけなかった。

恋人と別れ、怪我によって選手生命を絶たれた…

そんなあの人がかわいそうでならなかった。

だから、されるがまま抱き締められていた。

けど…その行為が自分の首をしめることになるなんて思ってもなかった…

悔しくてならない。教室に戻れる気はしなくて、サボる決断したその時、

勢いよくドアが開き、息を切らしながら私を睨んでるように見える岬さんがいた。

言い訳する気は微塵もない。

けど…岬さんの形相はあまりにも怖すぎる

「おい!話終わる前にどっかいくなや!探すの苦労したんやから」と岬さんは言った。

ごめんなさい

そう謝るとしか出来なかった。

それでも力強く、抱き締めてくれた岬さんは、

「苦しんでるよな?俺のせいで辛い想いさせてごめん!」そう言ってきた。

私の涙腺完全崩壊。

岬さんの腕の中で大泣きする私。

優しく背中をトントンしてくれた。

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