sweetlove
「俺が聞きたいのは、怜央との関係だ」と樹選手は言い出した。

「…」私と怜央は黙ってしまった。

少しして、「やだなぁ!たつニイは!先輩だよ?みずきさんは俺が愛してやまない尊敬する先輩!」と怜央は言った。

「ふーん?追っかけてきてそれだけか?」と意味深に笑う樹選手に対して、

「俺に勝ち目は無いからね…みずきさんには拓斗さんがいるから…」と笑う怜央の笑顔はどこか寂しそう。

「…拓斗って…平野拓斗か?」と樹選手。

「うん!どー見てもお似合いでしょ?って…知りあいなの?!たつニイ!拓斗さんと!」と怜央は驚いたように言う。

「知りあいもなにも…俺ら、元チームメンバーだし」と樹選手は言った。

怜央は言葉を失って固まってしまった。

「…おまっ…知らなかったのかよ?」と焦り出す樹選手。

「…俺は…そんなことも知らずに…一緒に練習を…?」怜央から出たのは本音だろう。

「そうか。寂しいな。知らない年代のやつも増えてきてるってことなのか…?」怜央の本音にそう独り言を呟く樹選手に寂しさを感じた。

樹選手はほんとに寂しそうな目で私を見た。

私は口を開いた。二人に聞いてもらおうと思って、自分の想いを、そして、夢を語り始めた。

黙って聞いてくれた二人。

「そっか!うん。いいと思う!応援するよ」と樹選手は言ってくれた。

「俺も頑張る!ちゃんと拓斗さんに返さないと!」と怜央は言った。

そして、私たちが笑い合ってると、拓斗さんが現れた。

「…ん?…樹か?なんでいるんだ?」と近づいてきたかと思うと、拓斗さんは言った。
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