sweetlove
fifth
冬休みも終わり年が明け、私の高校生最後の年が始まる。

本格的に受験勉強にも力を入れていかなければならない。

春-

バスケ部にも新たな後輩が入ってきた。

私の記事を見て入ってきたと言う子もいて、男女共大所帯となった。

私はキャプテンへと就任し、みよりが副キャプテンになった。

怜央は相変わらずで私にベッタリで少しウザさを覚えるほど。

受験勉強はほどほどに、部活に追われる毎日だった。

けど…変わらず拓斗さんは今年も私の隣にいてくれて。

毎日バスケに打ち込んでいる。

拓斗さんにとってもいい刺激になってるみたいで、頻繁に来てはコーチをしてくれている。

夏-

大会目前に私たちは必死に練習を重ねた。

大会当日ー

連覇をかけた県大会ー

いつも以上に気合いの入った試合。

決勝戦は建物が揺れるくらいの地響きと互いが激しくぶつかり合う。

私は相手に強くぶつかられはね飛ばされたしまった。

「…くっ…」思わず苦しい声がもれた。

バランスを取ろうと試みたがバランスは取れず、思いきり尻餅をついてしまった。

その拍子に右手首を捻挫した。

けど…私は気づかないふりをして続行した。痛みに耐えながら。

「…うっ…」何度も漏れる声とその度に走る激痛…

けど…誰も気づいていない。

どころか私は、久しぶりのフラッシュバッグにも苦しめられる。

あの時の出来事が、苦しみがトラウマが、体内を駆け巡り、私の心と体をボロボロにしていく。

『もう、無理…』そう思った瞬間、ブザーがなり、前半戦を何とか終えた。

ホッとしたのも束の間。

気づけば点数はかなり開いていた。

前回の試合の修整をしてきたらしく、前回より確実に強くなっていた。

私は悩んだ。このまま続けるべきか、ベンチに下がるべきか。

「みずき‼手大丈夫?」とみよりに言われて、

「えっ?なんで…」と私が言うと、

「あのくそ、みずきにぶつかってたでしょ?バランス崩れて捻挫したんじゃないの?」とみよりは心配そうに言ってくれた。そして、

「なんですぐ言わなかったのよ!」とみよりに怒鳴られた。

私はすぐに腕を引っ張られ椅子に座らせられると、冷却スプレーをし、素早く湿布を貼ってくれた。
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