sweetlove
私が頷いてやると、おずおずと拓斗さんの方に歩み寄り、拓斗さんの腕の中に収まった。

「…ん~大丈夫だよ。気持ちはよくわかるよぉ~」と拓斗さんは言いながら、優しく、怜央の背中をポンポンと叩いた。

しばらくそんな様子を見守っていたが、

耐えれなくなった私。

「…拓斗さん…」と私が言うと、

「あ?みずきちゃん…?」と拓斗さんは言ってくれた。

私は頷く。

「おいで?怜央君離れてくれる?」と拓斗さんは言いながら、怜央を離して、代わりに私を抱き締めてくれた。

「ごめんね?ちょっと妬いた?」と拓斗さんはイタズラっぽく聞いてくる。

コクンと頷けば、

「俺もちょっと妬いちゃったよ?怜央君と抱き合ってて…」と拓斗さんは言いながら、優しく私の頭を撫でてくれた。

妬いてる感じには見えなかったのにな。

「そろそろ帰ろっか?」と拓斗さんは言う。

「はい。あっ、怜央も一緒に…」と私が言うと、

「いいよ!俺のことは気にしないで。二人で帰って?邪魔したくないし…」と笑いながら言う怜央は何処か無理して笑顔を作ってる気がして、何とも言えない複雑な気持ちなった。

「今更だろ?散々邪魔しといて?俺は毎日、いつ、怜央君にみずきちゃん取られるんだろうってヒヤヒヤしてたよ?」

なんて…拓斗さんが言うもんだから、ビックリして、思わず顔が赤くなったのを感じた。

「そうなんですか?なら、アプローチすれば良かったですね。フリーになって、しばらく恋愛したくないのかと思ってました!先越されて悔しいんですけど?」と怜央は言った。

「絶対俺の方が、片想い歴長いし!」と拓斗さんは変なところで張り合う。

私は思わず笑ってしまった。

「何笑ってるんですか!」と怜央。

「少し元気になった?」と私が言うと、うつむきながら顔を赤くした怜央は小さく頷いた。

「そう、良かった。なら、帰ろっか?」と私は言って、歩き始める。

拓斗さんと、怜央は顔を見合わせて、私の横に来て歩いてくれる。
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