sweetlove
しばらく三人で歩きながら私は、

「ねぇ、二人とも!私に何か隠してるでしょ?言いたいことあるんじゃない?」と言った。

二人は顔を見合わせて驚いたような顔をしてから目をそらした。

「言ってよ」私は言う。

「…涼から口止めされてるんだよね…」と拓斗さんは言う。

そっか、やっぱり涼のことなんだ。

怜央が辛そうな顔してるのはそれが原因なんだ。

「わかった。じゃあ、今は聞かないでおくね、もうすぐ大会だからそのときに本人から聞くわ」私はそう言ってそれ以上は何も言わなかった。

けど…怜央は苦しそう。

私に言いたくて言えないかしら?

それとも他に理由が?

けど…それを口に出してしまえば終わりそうな気がして言えなかった。

数日後ー

大会を迎えた私たち。

いつも以上に緊張しているメンバー

それもそのはず。今回は私たちが提案したせいで、皆は、全国に行けるかどうかもわからないという立場に立たされているのだから。

プレッシャーを解いてあげたくて、考えた作戦のはずが、逆に皆を、追い込んでいるのかもしれない。

けど…もう遅い。今日は待ち望んだ大会なんだ!

皆の努力を大いに披露する大切な場なんだ!

自信を持ってプレイして欲しいし、私もそうしたい。

私は皆にそう伝えた。

そして、前半初戦メンバーをコートに送り出した。

確かに最初はのまれていた。けど…徐々に慣れはじめて、練習がいい形に成果として出始めた。
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