sweetlove
それから2月はあっという間に過ぎた。

卒業式前夜、岬さんから久しぶりのLINEが来た。

内容は『卒業おめでとー!明日…学校行くから少し俺に時間くれ』と言うものだった。

長くかかった、私と岬さん。

いよいよ、お互いに話し合う時が来たのだと悟った私はわかりましたと返事した。

翌日、卒業式ー

式の最中、私を始め、みより、その他の3年生は何人か泣いている。

下級生も泣いてる子がいる。目立ちはしないが。

無事式も終えた。教室に挨拶に行き、体育館に挨拶に行き、保健室に挨拶に行った私。みよりは私に付き合ってくれて、一緒に挨拶回りをしてくれた。

後輩達にも挨拶して…

みよりは迎えに来ていた彼氏のダイチさんと一緒に帰っていった。

ほぼ会話は無かったが、ダイチさんは私にも声をかけてくれた。

私は正門前にある大きな桜を見上げていた。

拓斗さんと怜央に探されてることも知らずに。

想い出に浸っていた。

入学した頃、色んな思いでこの桜を見たっけ…

苦しみや、悲しみ、楽しさ、嬉しさ色んな感情があって複雑な思いもしたよね。

けど…最後に笑って卒業出来たのは純粋に嬉しい…

思わず笑みが溢れた瞬間だった。

「みずき…?」と声をかけられ振り返った。

そこには憧れの先輩の大好きな笑顔があった。

岬さんだ。ここで初めて出会った頃と変わらない顔をしていた。

少し話す為、場所を移動した。
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