意地悪王子は俺様溺愛王子⁉︎
そう語りかけてくる雫の迫力に苦笑いして頷く。
『私よりも、小春⁇
あんたは彼氏作らないの?』
突然の問いに、一瞬フリーズして思いっきり首を横に振る。
彼氏なんて考えた事もない私は、彼氏いない歴=年齢という何とも悲惨な人生を歩んでいます。
……初恋、もまだなんですよね。
それをこの前雫に言った時の雫の顔が怖かった。
……般若の領域を超えてたよね。あれは。
『……てゆーか、そのクッキー……どうするの?』
雫が右手で抱えているクッキーを指して尋ねる。
私の問いになぜか笑った雫は、クッキーを持っていない方の手でどこかを指す。
その方に目線を向けると、そこには学園王子で有名な、神咲和希くんがいた。
『……神崎和希くん、だよね?
彼がどうかしたの?』
私の言葉に固まった雫は、我に帰った瞬間私の肩を強く揺すった。
『あんた本当馬鹿!?
今日はあいつの誕生日なのよ‼︎』
……あー…
だから女の子たちがみんなラッピングされた物を持って集まってるんだね。
いつもの光景すぎてわかんなかったよ……。
『でも、雫、いつも持っていかないよね?』
『そりゃあそうよ?
このラッピングの袋だって、 澪雄に言われたんだから』