おにいちゃんの友達
ここまでは何も問題がないように思えた。
体育祭が始まった。
応援合戦がもうすぐ始まるところで、メンバーの1人が私の名前を呼んだ。
「河野さん、あれ、あれがない。」
「何?」
「ハリボテ。」
「え?」
何かの聞き間違いかと思った。
だって、朝一で準備は万端のはずだったし。
誰かがどっかに持って行った??
嘘でしょ?
マドカと手分けして、メンバー達に聞き回った。
皆、口を揃えて「準備の時にはちゃんとあった」って言う。
じゃ、どうして?
ここまで来て顔が青ざめた。
「どうしよう。」
マドカが言った。
「あんな大きなもの、そう簡単に消えちゃうわけないわ。きっとどこかにあるはず。もう少し探してみよ!」
応援合戦の時間は刻々と迫っていた。
「どうした?血相変えて。」
半分パニック状態でグラウンドの端を探していた私に声をかけてきたのはマサキだった。
マサキはこれから選抜対抗リレーっていう速い人だけが出れるリレーに出るために入場門に移動しているところだった。
「マサキ、ハリボテ知らない?これっくらいのまーるいやつ。」
「ハリボテ?何だよそれ。」
「応援合戦で使う予定なの。応援団実行委員で一生懸命作ったやつがどこにもないの。」
マサキは隣にいた数名の友達に「見たことあるか?」って聞いてくれた。
何人かは知らないと首を横に振ったけど、一番奥にいた1人が首を傾げていた。
「お前、何か知ってる?」
マサキは、首を傾げて必死に何かを思い出そうとしてる友達に尋ねた。
「さっき見たような・・・どこだったっけな。」
「おい、思い出せよ。」
「んなこと言われてもな。確かほら、あいつら、不良グループのユウヤ達が朝一でグラウンドに置いてあったハリボテいじってたのは見たような。」
「ユウヤ?そりゃちょいやばいな。」
どうも、高3の不良グループが朝置いてあったハリボテをニヤニヤしながらいじってたらしい。
ひょっとしたらそのグループがいたずらしてどこかに持っていったかもってマサキは言った。
体育祭が始まった。
応援合戦がもうすぐ始まるところで、メンバーの1人が私の名前を呼んだ。
「河野さん、あれ、あれがない。」
「何?」
「ハリボテ。」
「え?」
何かの聞き間違いかと思った。
だって、朝一で準備は万端のはずだったし。
誰かがどっかに持って行った??
嘘でしょ?
マドカと手分けして、メンバー達に聞き回った。
皆、口を揃えて「準備の時にはちゃんとあった」って言う。
じゃ、どうして?
ここまで来て顔が青ざめた。
「どうしよう。」
マドカが言った。
「あんな大きなもの、そう簡単に消えちゃうわけないわ。きっとどこかにあるはず。もう少し探してみよ!」
応援合戦の時間は刻々と迫っていた。
「どうした?血相変えて。」
半分パニック状態でグラウンドの端を探していた私に声をかけてきたのはマサキだった。
マサキはこれから選抜対抗リレーっていう速い人だけが出れるリレーに出るために入場門に移動しているところだった。
「マサキ、ハリボテ知らない?これっくらいのまーるいやつ。」
「ハリボテ?何だよそれ。」
「応援合戦で使う予定なの。応援団実行委員で一生懸命作ったやつがどこにもないの。」
マサキは隣にいた数名の友達に「見たことあるか?」って聞いてくれた。
何人かは知らないと首を横に振ったけど、一番奥にいた1人が首を傾げていた。
「お前、何か知ってる?」
マサキは、首を傾げて必死に何かを思い出そうとしてる友達に尋ねた。
「さっき見たような・・・どこだったっけな。」
「おい、思い出せよ。」
「んなこと言われてもな。確かほら、あいつら、不良グループのユウヤ達が朝一でグラウンドに置いてあったハリボテいじってたのは見たような。」
「ユウヤ?そりゃちょいやばいな。」
どうも、高3の不良グループが朝置いてあったハリボテをニヤニヤしながらいじってたらしい。
ひょっとしたらそのグループがいたずらしてどこかに持っていったかもってマサキは言った。