おにいちゃんの友達
マドカは大人の飲み物、カフェオレ。

コーヒっていうのは大人が飲むための飲み物だと思う。

ゆっくりとカフェオレを飲んでいるマドカを見ながら、対照的ーと心の中で突っ込みながらイチゴミルクをストローで吸った。

あー、甘い。

甘いってなんて幸せなんだろ。

体中がイチゴミルクの甘さで満たされてく。

「おいしい?」

マドカがそんな私を見て、くすっと笑った。

「もちろん、おいしいに決まってる。」

私はトローンとした口調で答えた。

「ユイカは、高校卒業したらどうするの?」

「えー、そんな先のことまだ全然考えてないよ。」

「そりゃそうだよね。だけどさ、さっき休み時間の時話してたみたく、このままじゃダラダラ、あっという間に高校生活終わっちゃいそうじゃない?」

「確かに。」

そう言いながら、イチゴミルクを口に含む。

ぼんやりと窓の外に目を向けた。

マサキは、さっきの本買って、もう帰っちゃったかな。

本当は、もっとマサキと話したかった。

こんな風に私達が高校生活についてもやもやしてること、マサキだったらどう思うんだろう。

「そういうマドカは何か考えてるの?」

窓の外に目を向けたまま尋ねた。

「とりあえず、今部活が暇じゃん?だからこの暇な時間をまずはなんとか埋めたいなって思ってる。」

「埋めるって?」

「例えば、何か将来に繋がるような勉強するとか、バイトするとか。」

「バイトって?」

思わず突っ込んで笑った。

「だって、バイトだってさ、人生経験の一つじゃん?そこから何か見えることもあるんじゃないかって思ってさ。」

「えー、そうかな。ただのおこづかい稼ぎだよ。」

「まー、実際はそうなっちゃうかもだけど。」

マドカも言いながら、笑っていた。


< 39 / 152 >

この作品をシェア

pagetop