おにいちゃんの友達
家に帰ると、母は不在だった。

時計を見たら18時半。

大体この時間は家にいることが多いんだけど。

ママ友とでかけて、時間忘れておしゃべりしまくってんだろうか。

その時、スマホに母からの着信があった。

「はい。」

「あ、ユイカ?もう家に帰った?」

「うん、今帰った。」

「おかえり。ごめんね、お母さんまだ出先なの。」

やっぱり。

しゃべり過ぎなんだって。

軽くため息をついた。

「実はね、あゆみおばちゃんの調子があまりよくなくって、今日は病院につれていってたの。」

あゆみおばちゃんが?

思いも寄らない理由に思わず、階段を上っていた足が止まった。

「おばちゃん、大丈夫なの?」

「うん、薬の副作用がきつくてね。食欲もすっかり落ちちゃって。」

母の声は元気がなかった。

「とりあえず、今日は点滴して少し回復したから、今家に送り届けてきたの。」

「おばちゃん、一人にしてていいの?」

「あゆみおばちゃんが、もういいから帰ってって言うもんだからね。お母さんも心配なんだけど、あんた達のこともあるからとりあえず帰ることにしたわ。」

「私やお兄ちゃんなら二人でなんとかするし、おばちゃんのとこにいてあげてよ。」

なんだかとても心配な気がした。

「とりあえず、今日は帰るわ。何かあったらすぐ連絡してって言ってあるから、その時は遠慮なくおばちゃんのとこ行かせてもらうわ。ありがとう。」

あゆみおばちゃんが、私が思っている以上に大変なんだってことが、母の口調から静かに伝わってくる。

お兄ちゃんはまだ会いに行ってないよね。

今日相談してみよう。

ちゃんと行く日決めなくちゃ。





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