おにいちゃんの友達
2章 単純?
「ユイカ-!今日部活休みだってぇ!」

廊下の向こうから、マドカが走ってきた。

渡邊マドカ。私と同じ中学でバスケ部でも一緒だった親友。

晴れて、この春から一緒の高校に入学した。

お互い、部活何にするか決めあぐねいていたら、たまたま同じ中学でバスケ部だった先輩が「卓球部は部活休みが多くて楽だよ」と教えてくれた。

バスケから卓球?って感じもするけど、私たち二人とも中学で十分バスケは堪能したから、高校は少し楽な部活を選びたかったわけで。

教えてもらったとおり、顧問の先生がさぼり気味でしょっちゅう部活が休みになった。

「また休み?週に一回は休みじゃない?」

「いいじゃんいいじゃん。こうして、また放課後二人でゆっくり遊べるんだしさ。」

遊ぶっていったって、小学生のように公園で遊ぶわけにはいかない。

かといって、ショッピングに行くほどお金は持ってない。

そんな私たちは、とっておきの場所をみつけた。

高校の最寄り駅のすぐ近くに、CDショップ兼ブックストア兼ちょっとしたカフェテラスって場所。

女子高生にはたまらない情報の坩堝。

ちょっと喉が渇いたら、座ってお茶もできるし軽くドーナツも売ってる。

お茶もおやつも100円でいけるし。

マドカはるんるんで私の腕をひっつかんで走った。

「そんな慌てなくていいってぇ。」

マドカは私と違って長身だ。

そして私と違って肌も白くて足も長い。

時々、容姿の美しさに見とれることもある。

なのに、性格がさばさばしてこんなだから、今まで私と同じで彼氏0。

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