キスラバーズ
「小さい時、お父さんがよく連れてってくれたの。」

本当小さい時、お父さんとの唯一の思い出

「そう、お父さん元気なの?」

っ…

そうだよね、いつか言わなきゃいけないよね

「死んだの、お父さん。」

「え?」

お母さんは私の生まれた時に出血が酷くて死んだ

お父さんは脳梗塞で

だから私は、高校からは一人暮らしをしていた

家は死んだ両親が私に残したものだ

ぎゅっ

新が私をきつく抱きしめた

「…ごめん、辛いこと思い出させて。」

「私こそごめんね、せっかくのデートなのに雰囲気壊しちゃって…」

「ここは悪くない、俺が聞いたんだから。でも、ここのこと知れたから嬉しいよ。」

優しく微笑む新

「始まっちゃうから、急ごうか。」

「うん!」

私は新の手を強く握った

大好きだよ、新
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