キスラバーズ
イルカショーは本当に凄かった、イルカは可愛いし、水しぶきは日の光で反射してキラキラ輝いていた

興味なさそうだった新もクライマックスに近づくと大興奮して見入っていた

実はきっちり見てたんだなー

「イルカ可愛いかったぁー!」

「そうだね、俺もイルカが好きになったよ。」

「本当!じゃあ、今度またみよう!」

私達が水族館を出ると陽はすっかり暮れていた

「新、今日はありがとう。楽しかったよ!」

「家まで送る、最近不審者多いし。」

新は心配性だなぁ、それくらい大丈夫なのに…

「いいよ!新帰るの遅くなっちゃうし…」

新の迷惑になりたくない

「だーめ!ここに何かあったら俺死んじゃうから。」

新の必死さに耐えかねて、私が折れた

「ありがとう、新。わざわざ送ってくれて。」

精一杯のお礼をする

「彼氏として当然のことをしてるだけだよ。それに、少しでも長くここと一緒にいたいし。」

胸がきゅうっと音を立てた

私は恥ずかしくて、話せず、家まで無言で歩いた

「新、ありがとう!私の家ここだから…また来週ね!」

寂しいけど、それしか言えない…我儘言って嫌われたくない

ぐいっ

新が私の腕を引っ張る

「んっ…!」

新が私にキスをする

「来週まで、電話とLINEとかで我慢しなきゃないから。ここが足りなくなりそうでさ…だから充電。」

本当にこの彼氏はぁ!
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