キスラバーズ
「はっ、はははっ…」

涙が出ないように一人で笑った

「…如月さん?」

ぱっと振り返る

「成宮、君…」

「どうしたの?泣いちゃってさ…もしや振られたとか?」

「…違う、私が振ったの…最低よね…好きだって言っといて振るってさ。」

ほんと最低…

「なら、俺が貰うチャンスもあるって事だな。」

「えっ?」

「振られたけど、まだ諦めてなかったからさ。」

そう言って、成宮君は私にキスをした

新とする時は、もっとドキドキして安心する…

ごめんね、まだ新が好きみたいなの

「如月、付き合って?あいつを忘れられるくらい、俺が愛してやるから。」

無理よ、新を忘れることは出来ない

「時間を頂戴…今はまだ決断できないから。」

未開封のお弁当を持って教室に戻る

それから1日…過ぎていった

新は朝比奈さんの告白を受けたらしい…

それでいい、似合うカップルよ…幸せにね

私も、成宮君に返事をした

「いいよ、付き合うよ。たけど、キスはしないで。」

新を完全に忘れるまで、愛おしく思わなくなるまで…キスは嫌なの

「…わかった。傷つけるようなことはしない。だから名前で呼んでよ、ここ。」

真剣な表情で見つめる麗音

「うん、麗音。」

これは契約…私が新を忘れるまで続くおかしな契約よ

「美希ちゃん…」

友達が恋しくなる

「美希ちゃんに会いたい…また明日。」

麗音に別れを告げて校門に立っている美希ちゃんの元に走る

「…美希ちゃん…私疲れちゃった。」

「どうしたの、ここ!目が腫れてる、また泣いたの?」

そんなに?

「美希ちゃん、私ね…新と別れたの。」

「えぇ!あんなにラブラブだったのに?まさか、朝比奈に譲ったんじゃないわよね?」

いつもながら鋭い美希ちゃん

「だって、朝比奈さんとキスしてたんだもん…それ見たら耐えられなくて。」
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