キスラバーズ
「…親友って大事だね。」

本当にそう思う

「うん、ここは特別。初めて喋ったのがここだったし。」

「そうだね、幼稚園の時だっけ?」

美希ちゃんは幼稚園からの付き合いだ

つまり、私のお父さんを知ってる唯一の友達

「うん、あん時はここお父さんにベッタリだったよね。私が話しかけても、ビクビクしててさ。」

確かに、私の人見知りはあの頃からかな

「美希ちゃん、私が犬に襲われた時助けてくれたよね?あれが仲良くなるきっかけだったし。」

近所の犬が鎖を引きちぎって私の服に噛み付いた時はどんなに怖かったか

その思い出があるからなのか、犬は苦手

「美希ちゃん、久々にうちに寄ってかない?」

「あ、泊まってもいい?私のママが心配してんの。待って、今電話するから。」

ガサゴソと鞄を探り、携帯を取る

「もしもし?ママ?今日さ、ここん家に泊まるから、うん。大丈夫。ここに了承は得てるよ。」

それだけを言うと美希ちゃんは私に満面の笑みを見せる

「おっけーだって!ひゃー、楽しみ!ここの料理うまいからなぁー!」

「そう?私一人じゃあんまり料理しないからなぁ。」

実際、お弁当以外食べてないに等しい

「特に卵焼き美味しいし!」

「誰でも作れんじゃん。」

「チッチッチ、ここさん、定番ほど難しいんですよぉ?」

「そうなの?」

それから、何を食べるのか、二人で話し合い、スーパーに寄って帰った
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