キスラバーズ
あ、あれは何?

「あれはあなた、あなたの心。」

っ!だれ?何も見えない!暗い!怖い!

「落ち着いて、ここ。ちゃんと自分を見なさい!」

あなたはだれなの?それを聞いたら落ち着くから、答えて!

「私に名前は無いわ、強いて言うなら死神っていうものに近いわね。」

し、死神って!じゃあ、私は死ぬってこと?

「いいえ、それは私には決められない。ここちゃんが決めることよ。」

私が決めること?

「ええ、だから…自分を見なさい。」

…わかったわ

言われるがままに見る私

「どう?」

どうって…寝てるように見える、それにすごく遠くに感じる

「そうでしょう?あなたの心はあなたから離れようとしているの。」

どうして?私の心なのに!

「あれはあなたの心だけど、あなたのものじゃ無いのよ?見なさい、とても傷ついてるわ、これじゃあ離れるわよね〜。」

待ってよ、私が傷つけたっていうの?

「そうよ、あなたの想い人でも、あなたを傷つけた人でもなく、あなたが傷つけたのよ?」

…私はどうしたらいいの?

「癒しなさい、あなたが最も安心できる場所へ行くの、最も愛しい人の元に戻ってあげること。じゃなきゃ、私が連れてくわよ?」

それを境に声は消えた、私を残して

私の安心できる場所?最も愛しい人…
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