キスラバーズ
「指輪は、本当に働いて買ったから…親の金なんか使っちゃいない…1銭たりともね…」

玄関の鍵を開けて入る新

「新さん!」

声を聞いた瞬間、新の顔が険しくなる

「何ですか?」

私と話す時とは違う冷たい声

「やはり、私との婚約は無理ですか?」

清楚な美人が歩み寄ってくる

「ええ、丁重にお断りいたします。」

即答で返す新

「あらっ、そちらの方はどなたですか?」

いかにもお嬢様な言葉遣い

「あなたに関係無いでしょう、あの話は無くなったのですから。」

「それも、そうですね。」

清楚な美人は綺麗なお辞儀をして去る

今すぐにでも新に答えて欲しいけど…我慢した

新は、さっきとは違い、乱暴に手を引く

「新、痛い…そんなに引っ張らないで。」

「あっ、ごめん!」

手を離す新

「…さっきの人、嫌いなの?」

「…別に、嫌いっていう訳じゃない。千鶴は親の決めた相手だから冷たくしてんの…変に好かれても困るし。」

色々大変なのね…でもね、新…千鶴さんあなたが好きよ、私を見る目が嫉妬していたもの

私は新の隣に座る

「それに、俺は俺の好きな人としか居たくない。」
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