Pioneerｰあなたは私のパイオニアｰ

「みーちゃん？」
麻未さん、そこそこ可愛い声をさらにパワーアップさせて私を呼ぶ。
「美月ちゃん？」
梨川先生、いつものふんわりした雰囲気で攻める。それが逆に恐ろしい。
「「高村先生？」」
室井先生&木本先生ペア、結婚と子育ての先輩は頼りになるが、今回ばかりはその威厳が怖い。
「美月ぃ？」
優子、目も眉毛も普段以上につり上がっている。
「…お願いですから順番に私を呼ぶのはやめて頂けませんか？」
あくまでも笑顔で5人の取り調べをかわす。
「もーしょうがないなぁ、私が言います！美月の彼氏は、あ…」
「黙りなさい優子ーっ！！」
彼の名を出そうとする優子をどうにか遮る。
そこまでは良かったんだけど…変なところまで言うから、残りの四人が好奇の目でこちらを見つめている。
…もういいや。覚悟は出来た。
「…私が自白しますよ！もう…」
「おぉみーちゃんいいねぇ～」
「私の彼氏は…荒木先生です」