Pioneerーあなたは私のパイオニアー

過去という毒薬

親睦会(やっぱり、飲み会になりました…)が終わり、居酒屋から駅に向かって歩き始めると、先ほどの荒木先生と一緒になった。
「高村先生ーっ!」
「あ!荒木先生」
彼は、私の方に向かって走ってきた。そんなに走らなくってもいいのに…少し、可愛い。
「駅まで一緒に行きませんか?」
ゼェゼェしながら誘う姿がおかしくて、笑いそうになる。
「はい」
そうして、二人でゆっくり歩き出した。

「…高村先生、何歳?」
「まぁ…大人のレディに年齢を聞くなんて失礼な方…。…今年の10月で25歳です」
「へー、俺と近いね。俺は7月で29」
彼と様々な雑談をするのが楽しい。
「ねーねー高村先生彼氏いるー?」
「…初対面でそれ聞きますか!?…いませんよ、悪かったですね」
「えー意外!なんでなんでぇ?作らない主義?」
「…っ」
ふいに過去を思い出して、足元がふらついた。
「高村先生!?高村先生!?!?」
ついに立っているのも辛くなり、荒木先生に寄りかかってしまった。
「…すみません…」
「いいよ。っていうかごめん。ほら、そこの公園誰もいないから、行こう?」
彼に連れられ、私達は公園に向かった。
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