Pioneerｰあなたは私のパイオニアｰ

えーい、こうなったら…！
「そうよ～先生ね、彼氏出来た♡」
「「「「えーーーーっ！？」」」」
…そんなに驚かないでよ、24,5の女に彼氏位いたって良いでしょう？私がそんなにモテないって思ったのかしら…当たっているけど。
「「まさか荒木先生？」」
うわぁ、皆鋭いけ・れ・ど…認めません！！バレたら大変だしね。
「違います」
「じゃあ中本先生？」
「違います」
…ぶっちゃけあの人とは付き合いたくない。
あのもめた日以降、彼とは距離を置いている。
と、そこに噂？の彼がやって来た。
「失礼します、高村先生ちょっと良いですか？」
そう、それは武志…もとい荒木先生。私はサッと振り向いて彼の方へ向かった。…生徒達からすごい歓声が聞こえてくるんだけど…。
「はい」
「あのですね…」
臨時職員会議の伝達が終わって、廊下からまた教室に戻ろうとすると、
「高村先生～！荒木先生～！」
と聞こえてきた。
「美月…俺らまた言われる系？」
彼が足を止めてゲンナリする。
「言われるわね…じゃなくて言われますね。…学校モードに切り替えてよ、荒木先生？」
「はい、すみません高村先生」
渋々二人で教室に向かう。
「何で4組の皆さんが俺を呼ぶんですか」
「そりゃあ、荒木先生って～…」
「「「「高村先生の彼氏なんでしょ～？」」」」
出たぁぁあぁああ！！武志、うまくやってね！
「違うわ！！」
「え～嘘でしょ」
「嘘じゃない」
…大変そうだが、しばらく放っておこうかな。