Pioneerーあなたは私のパイオニアー
言葉にしているうちに、だんだん楽になってきた。
でもやっぱり怖くて、恐る恐る荒木先生の方へ顔を向けてみたら、彼にこう言われた。
「…ごめん。俺のせいで、辛いことを思い出させてしまって」
謝らないで。あなたは何も悪くないのー。
「そんなことないです。先生は、何も悪くない…。私の方がごめんなさい、立ち止まってしまって。もう大丈夫なので、帰りましょ?」
「うん」
返事を聞いて、私は自然と笑顔になった。
誰かに気を遣わせるのが大嫌いなのだ、私は。

彼にも笑顔が戻ったところで、私達は公園を後にした。
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