熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
なんか、どうでもいいような扱いだった。
とにかく開演の時間も迫っていたし、あたしは衣装に着替えるために演劇部の部室に入ることにした。
だけど紙袋の中から衣装を取り出したとき、一瞬ソレがなんだか分からなかった。
茶色い物体。
…ってゆーか茶色の全身タイツじゃん!
そのとき、あたしは自分がナンの役なのか、そしてさっき部長が言っていた意味を、ようやく全部理解することができた。
慌てて航平くんに…、
『舞台は見に来なくていいよ!』
…とメールをしようと思ったけど、もう開演まで時間がなかった。
まもなく―――――
あたしたち演劇部の発表がはじまった。
あたしは舞台の上で、自分にあたえられた役を演じながら、あ~ァ、こんなことなら舞台デビューのこと教えなきゃよかった…と、思いっきり落ち込んでいた。
思いがけない大抜擢で与えられたあたしの舞台デビューの役、それは“馬の後ろ足”の役だった。今朝になって急に体調を壊した“後ろ足”の役の人の代役だったのだ。
とにかく開演の時間も迫っていたし、あたしは衣装に着替えるために演劇部の部室に入ることにした。
だけど紙袋の中から衣装を取り出したとき、一瞬ソレがなんだか分からなかった。
茶色い物体。
…ってゆーか茶色の全身タイツじゃん!
そのとき、あたしは自分がナンの役なのか、そしてさっき部長が言っていた意味を、ようやく全部理解することができた。
慌てて航平くんに…、
『舞台は見に来なくていいよ!』
…とメールをしようと思ったけど、もう開演まで時間がなかった。
まもなく―――――
あたしたち演劇部の発表がはじまった。
あたしは舞台の上で、自分にあたえられた役を演じながら、あ~ァ、こんなことなら舞台デビューのこと教えなきゃよかった…と、思いっきり落ち込んでいた。
思いがけない大抜擢で与えられたあたしの舞台デビューの役、それは“馬の後ろ足”の役だった。今朝になって急に体調を壊した“後ろ足”の役の人の代役だったのだ。