熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「だって…?」
「なぎさちゃんは小っちゃい頃からの、あたしの大切な友達だし…」
「…!」
「だから黙ってるのは悪いと思うし……」
なんか…みさきちゃんのことばの調子とか、言い方から、これはよほどのことだと直感したあたしは航平くんに…、
『航平くん、今いそがしいみたいだからゴハンはまた今度にしよ?』
…とメールをして、みさきちゃんと会うことにした。
待ち合わせ場所の公園に行くと、すでに辺りは真っ暗で、対照的に明るい屋外灯の下のベンチに、傍らに大きな紙袋を置いて座っている彼女を見つけるのは簡単だった。
彼女はまだ制服姿だった。打ち上げのあと、家に帰らないで、そのままココに来たんだろうか?
「みさきちゃん、待たせてゴメン」
「…なぎさ……ちゃん」
驚いたように顔をあげる彼女。その顔が今にも泣き出しそうだった。
「ね、あたしの部屋に行こ?」