熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「え……どうしてそうなるの?」
彼女はいつも、他の人が思いつかないような独特の発想をするコだから、あたしには彼女が何を考えているのか、まったく分からなかった。
「だからね、こないだはみさきのことをフッたけど、今日はじめて舞台の上のみさきを見て、みさきのことが好きになったんだよ」
「そういえば……」
あたしは演劇部の発表が終わったあと、彼が言っていたのを思い出した。
「俺、お前の芝居はじめて見たけど、舞台に立つと、お前、全然別人みたいになるのな」
たしかに彼はそう言っていた。
もしかして彼女の言うとおり、舞台の上に立つ普段とは別人みたいなみさきちゃんを見て、心変わりをした、ってコト?
「でも、みさき、あのときフラれた時点で、アイツのことはもう嫌いになってたから、ハッキリ断ったんだけど……、そしたらアイツ…アイツ、急に逆上して……無理矢理みさきを押し倒して、それで…それで……」
彼女は、乱暴されたときのことを思い出したのか、その声は涙に震えていて、最後のあたりはやっと声を絞り出したみたいな感じで、ほとんど聞き取れないくらいだった。
「もう、いいよっ」
彼女はいつも、他の人が思いつかないような独特の発想をするコだから、あたしには彼女が何を考えているのか、まったく分からなかった。
「だからね、こないだはみさきのことをフッたけど、今日はじめて舞台の上のみさきを見て、みさきのことが好きになったんだよ」
「そういえば……」
あたしは演劇部の発表が終わったあと、彼が言っていたのを思い出した。
「俺、お前の芝居はじめて見たけど、舞台に立つと、お前、全然別人みたいになるのな」
たしかに彼はそう言っていた。
もしかして彼女の言うとおり、舞台の上に立つ普段とは別人みたいなみさきちゃんを見て、心変わりをした、ってコト?
「でも、みさき、あのときフラれた時点で、アイツのことはもう嫌いになってたから、ハッキリ断ったんだけど……、そしたらアイツ…アイツ、急に逆上して……無理矢理みさきを押し倒して、それで…それで……」
彼女は、乱暴されたときのことを思い出したのか、その声は涙に震えていて、最後のあたりはやっと声を絞り出したみたいな感じで、ほとんど聞き取れないくらいだった。
「もう、いいよっ」