熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
眠れない夜。
ベッドに入っても眠れなかったのは、心が激しく、そして切なくうずいたからだ。
心がまるで泣いているみたいな、その感覚は一晩中消えなかった。
あたしはベッドの中で、朝なんて永遠にこなければいいのに、と思った。
そんな泣いた心のままでは、学校になんて行けるはずがない。
だいいち学校にはアイツがいる。
会いたくない。
ツライ。学校に行くのが辛くてたまらない。
あしたは学校を休もう。
アイツとやっと友達になれたとき、本当はこれからの予定をいっぱい立てていた。一緒に映画を見に行ったり、ゴハン食べたり、他にもいろいろ考えていた。
でも、それもみんなただの妄想に終わってしまった。現実なんてこんなものだ。
いや。もしも、これがタチのワルイ悪夢だとしたら、今すぐここで覚めてほしい。だけど、これは紛れもない現実だ。
あたしは、今日、すごく大事な宝物をなくしてしまった―――――