熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
さっきまで見る気もしないと思っていたケータイ小説だけど、いざソレが消えてしまったのかと思うと、立ち直れないあたしがいた。
“ピンポーン…”
そのとき不意に玄関のチャイムが鳴った。
「母さん?」
でも、母さんならまだ仕事から帰ってくる時間じゃない。それに母さんなら自分でカギを開けて入ってくるはず。
“ピンポーン…、ピンポーン…”
…ってことは、なんか荷物を届けにきたか、セールスのヒトでもきたってコト?
あたしは2階の自分の部屋から、家の前を見てみることにした。あたしンちのドアチャイムのボタンは、道に面した家の入り口の門扉の脇にあるから、2階から見れば誰がきたのか一目瞭然なのだ。
「えっ…!?」
あたしは思わず声を上げていた。