熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「けど、なぎさちゃんは、その事実確認ができないコなんだよ。自分に自信がないから、たったひとこと“ほかに好きなコができたの?”って……そのたったひとことが怖くてゼッタイに言えないコなんだよ」
その、上から見下ろしたような…、なんでもお見通しみたいな態度が超ムカついた。
「あたしのこと全部知ってて、あんなウソつくなんてサイテーだよっ!」
思わず自分でもビックリするくらいの大声が出てしまった。
まわりのヒトたち……カフェのお客さんや店員さんも、みんな一人残らず、当然ビックリしていたと思う。
「ダマされたなぎさちゃんが悪いんじゃん♪…ってか、みさきの演技力もたいしたもんだよね♪ さすがは演劇部の看板女優ってところだよぉ♪」
悪びれた様子がまったくなかった。
「あんたは女優なんかじゃないっ! うす汚いペテン師……詐欺師よっ!!」
“パシッ!”