熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
第10話「雨上がりの感情」
喜屋武みさき。
あたしンちとはお向かいさん同士だし、可能なかぎり思い出せる小っちゃい頃の記憶をたどってみても、そのほとんどの思い出の中に、いつも彼女がいた。
幼稚園のとき、好きだったヒロシくんを盗られて以来、彼女への劣等感を感じながら生きてきたけど、それでも、彼女はあたしが絶対に勝てない相手だから、ライバル心さえ抱くこともなく、フツーに幼なじみとしていつも一緒に遊んできた。
中学生になって一緒に演劇部に入り、一緒にジョージ先生に憧れた日々もある。
だから、あたしは彼女のことを、一番なかよしの友達だって、ずっと…ずっと思っていた。それなのに。
あたしって、やっぱしおバカだ。
一番なかよしの友達だと思っていたのは、あたし一人だけだったのかもしれない。
「うえぇぇぇんっ…」
次の瞬間、もう胸の中には収めきれなくなった悔しさと、悲しさと、あと…ことばで表現できない激しい感情とがゴチャ混ぜになって、一気に外に飛び出していた。
声を出さないで泣くことなんてできない。どうせココはあたしの部屋なんだし、頭からフトンをかぶっていれば声だって聞こえにくい。ガマンなんかしなくていい。…ってか、ガマンなんてできそうにもないし。
あたしンちとはお向かいさん同士だし、可能なかぎり思い出せる小っちゃい頃の記憶をたどってみても、そのほとんどの思い出の中に、いつも彼女がいた。
幼稚園のとき、好きだったヒロシくんを盗られて以来、彼女への劣等感を感じながら生きてきたけど、それでも、彼女はあたしが絶対に勝てない相手だから、ライバル心さえ抱くこともなく、フツーに幼なじみとしていつも一緒に遊んできた。
中学生になって一緒に演劇部に入り、一緒にジョージ先生に憧れた日々もある。
だから、あたしは彼女のことを、一番なかよしの友達だって、ずっと…ずっと思っていた。それなのに。
あたしって、やっぱしおバカだ。
一番なかよしの友達だと思っていたのは、あたし一人だけだったのかもしれない。
「うえぇぇぇんっ…」
次の瞬間、もう胸の中には収めきれなくなった悔しさと、悲しさと、あと…ことばで表現できない激しい感情とがゴチャ混ぜになって、一気に外に飛び出していた。
声を出さないで泣くことなんてできない。どうせココはあたしの部屋なんだし、頭からフトンをかぶっていれば声だって聞こえにくい。ガマンなんかしなくていい。…ってか、ガマンなんてできそうにもないし。