熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
もう、あしたからは今までと同じみたいに…、なにごともなかったみたいに、彼女に接することはできない。
どうしよう……あたし、これからどうしたらいいの……?
泣きながら、しゃくりあげながら、一生懸命に考えようとしたんだけど、まるで頭の中に超大型の台風でも上陸したみたいな大混乱状態になっていて、もう何もかも、全然ナンにも分からなくなって、いくらどんなに考えようとしても、もう……とうてい解決できそうにもなかった――――
“ピンポーン…”
そのとき不意に、玄関のドアチャイムが鳴った。
誰だろう? また航平くん?
そう思いながらも、フトンの中に頭からもぐったまま、泣くのを必死でこらえた。
「はーい」
1階から母さんの声が聞こえてくる。
「アラ、みさきちゃんじゃないの?」
「えっ…!?」