熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「…って、お前が言うな、って感じだよね。みさきがなぎさちゃんを傷つけたんだし」
情けなさそうに笑ってみせるあのコ。
「でもね、みさきだってホントはしんどかったんだよぉ」
「え…?」
「あんなウソ…すぐにバレると思ってたのに、なぎさちゃん、なかなか真相解明に乗り出さないし、そのうえ学校まで休んじゃうし……。みさき的には、いつバレるかヒヤヒヤしながら過ごすのは、けっこー辛かったりしたんだよねぇ」
「だって、まさか、みさき…ちゃんが、ウソついてるとは夢にも思わなかったから」
「でもね、みさき的には“ドッキリ大成功~っ♪♪”みたいな軽~いノリのエンディングを迎えられれば、それで気分もスカッとして、なぎさちゃんへのジェラシーも解消されてたんだよ。それなのに、なぎさちゃんが引っ張るから、こんなに大袈裟なことになっちゃって」
「………」
あたしは黙って聞きながらも、内心、またあたしのせいにするつもり?とうんざりしていた。
「で、でも、あの破られたドレスは…? まさか、あたしをダマすために、わざわざ用意したフェイク(偽物)…?」