熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「みさきちゃん……」
小っちゃい頃から知っている、悪気のない、くったくない笑顔だった。
「けど、最後にひとことだけ言っとくよ♪」
「最後にひとこと…?」
「なぎさちゃん、もっと強くなろうよぉ♪」
「…!」
「みさきなんかの、あんな見えすいたバレバレのウソなんかに簡単にひっかかっちゃダメだよぉ♪ 強くなんなきゃ、ヒトを好きになることなんてできないよぉ♪」
「………」
まさか、みさきちゃんにこんなことを言われるとは思っていなかったから、あたしはことばを失ってしまった。
「ホントは今でも比嘉くんのことが好きなんだよねぇ?」
あたしは黙ってうなづいた。
「だったらさぁ、いつまでもうじうじしてないで、美帆ちゃんとジョージ先生を見習って、正々堂々、比嘉くんと付き合いなよ♪ あたしとか、なみちゃんの目なんか全然気にすることないよ♪」