熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「えっ!?」
「俺が絶交を承知していない以上、あのときからずっと変わらず……今でも俺とお前は友達のままだ」
「???」
あたし、一瞬ポカーンとしていた。
「いいか?もう一度言う。今もお前は友達だ。お前は俺の友達だ。いいか?分かったか?」
「………」
状況が飲み込めるまで何秒か、かかった。
そして――――
「うわぁぁぁ~ん!」
気がつくと左手をクチから離して泣いていた。声を上げて大声で泣いていた。
「オイ、オイ、そんなに泣くな、って…。イジワルして悪かったな。すまん。謝るよ」
電話の向こうで困っている彼の顔が浮かぶ。