熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
言い終わるなり、さっさと砂浜を横切って海の中に入ってしまう彼。


「ホラ、こいよ! 海の中は冷たくて気持ちいいぜ~!」

手を振って、彼があたしを呼んでいる。

行かなくちゃ。

追いかけなくちゃ。

今までずっと遠くにいた彼が、今、あたしのことを待ってくれている。

だから今…、

いま行かなくちゃ、あたしは一生後悔すると思う。

「うん」

あたしはビーチサンダルを脱いで、バスタオルをとった。


バスタオルの下に厳重に隠し続けていたのは、生まれてはじめてのビキニ。

もちろんグラビアアイドルみたいな小っちゃいビキニは死んでも着れないから、ビキニとタンクトップの中間みたいなカタチをした面積の広いビキニを着て、下はフリルのついたスカート型のにした。

このビキニを選んだ最大の理由は、胸に大きなリボンがついていて、胸のふくらみが目立ちにくかったから。

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