熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
あたしは恥じを全部脱ぎ捨てる。
いや。ちがう。
むしろ、誇りを胸に、一途で健気な乙女のプライドを胸に、恥ずかしがらずに、まっすぐにキミの瞳を見るよ。
「航平くん……」
彼の瞳にあたしがうつっていた。
「よかったな。これでお前のケータイ小説に、“まりな”と“ナゾの転校生”のデートシーンを書き足せるな」
「うん、ありがとう。航平くんのおかげだよ」
「あのさ、ついで、って言っちゃなんだが」
「ん?」
「どーせならさ、もうワンシーン書き足したほうがいいんじゃね?」
最初、あたしには彼が何を言おうとしているのか分からなかったけど…、
「あの小説は実話を元にした“純愛小説”だろ? だったら、ヤッパ、まりなとナゾの転校生が友達同士のカンケーから、カノジョとカレシのカンケーになるシーンを書き足さねぇといけねぇんじゃねぇかと思うんだ」
ここまで言われて、彼のしようとしていることが分かったような気がした。
いや。ちがう。
むしろ、誇りを胸に、一途で健気な乙女のプライドを胸に、恥ずかしがらずに、まっすぐにキミの瞳を見るよ。
「航平くん……」
彼の瞳にあたしがうつっていた。
「よかったな。これでお前のケータイ小説に、“まりな”と“ナゾの転校生”のデートシーンを書き足せるな」
「うん、ありがとう。航平くんのおかげだよ」
「あのさ、ついで、って言っちゃなんだが」
「ん?」
「どーせならさ、もうワンシーン書き足したほうがいいんじゃね?」
最初、あたしには彼が何を言おうとしているのか分からなかったけど…、
「あの小説は実話を元にした“純愛小説”だろ? だったら、ヤッパ、まりなとナゾの転校生が友達同士のカンケーから、カノジョとカレシのカンケーになるシーンを書き足さねぇといけねぇんじゃねぇかと思うんだ」
ここまで言われて、彼のしようとしていることが分かったような気がした。