熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

いや、信じられないというよりは、信じたくなかったのかもしれない。

だって、あたしは先生のことが……。


ジョージ先生は英語教師で歳は24、あたしのクラスの担任だ。みんなが“ジョージ・スマイル”と呼ぶ爽やかな笑顔が印象的。

日本人の父親とアメリカ人の母親との間に生まれたハーフであり、学生時代はずっとバレーボールをやっていたせいか、見上げるほどの背の高さ。

若くてハーフのイケメンで、そのうえ背が高いとなれば、これでモテないはずなどなく、実際、毎年、誕生日とバレンタインデーには、持って帰れないほどたくさんのプレゼントやチョコをもらっていた。

もちろん、あたしとみさきちゃんも先生を見るとき目がハートになっていたし、だから3年生になって彼が担任になったときは、お互いに抱き合って喜んだほどだった。


「でも、誰かソノ現場を見たの…?」

「見てないよ。でも、本人が言うんだもん。間違いないよぅ」

「えっ、なんで自分から言うの!?」


あたしがもし男の人と、そういうことをしちゃったとしても、恥ずかしくてみんなには絶対に黙っていると思う。


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