熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
美帆が先生のクルマの助手席に乗っていた、という目撃情報はけっこうあって、彼女が先生と付き合っているんじゃないか、という噂は以前からあった。
でもそれは、部活で帰りが遅くなったバレー部・主将の彼女を、バレー部・顧問として先生がクルマで送ってあげているだけだ、とあたし的には解釈していた。
でも今となっては、ソレは単なるあたしの妄想にすぎなかったのかもしれない。
ストレートすぎる表現だけど、ショックだったとしかいいようがない。
でもショックだったのは、先生に対する想いが突然断ち切られたことに対してではない。
最初から叶わぬ恋だと分かっていたから、今さら改めてショックを受けるほどのことではない。そもそも、あたしの先生に対する想いは、まるでテレビの中のイケメン俳優のファンになるような、どこか現実味のない想いであることを、客観的に理解していたし。
ショックだったのは、毎日顔を合わせている先生や美帆が、体育館の倉庫という、ごく日常的に見慣れた場所で、そういうことをやっていた、ということだ。
あたしだってもう中3だし、年頃の男女がそういうことをするのむしろ当たり前だ、と分かっているつもりだったけど、その一方で、ああいうのは映画やドラマ、マンガや小説の登場人物だけが行なう非現実的で特別な行為みたいな気がしていたのも事実だ。
でもそれは、部活で帰りが遅くなったバレー部・主将の彼女を、バレー部・顧問として先生がクルマで送ってあげているだけだ、とあたし的には解釈していた。
でも今となっては、ソレは単なるあたしの妄想にすぎなかったのかもしれない。
ストレートすぎる表現だけど、ショックだったとしかいいようがない。
でもショックだったのは、先生に対する想いが突然断ち切られたことに対してではない。
最初から叶わぬ恋だと分かっていたから、今さら改めてショックを受けるほどのことではない。そもそも、あたしの先生に対する想いは、まるでテレビの中のイケメン俳優のファンになるような、どこか現実味のない想いであることを、客観的に理解していたし。
ショックだったのは、毎日顔を合わせている先生や美帆が、体育館の倉庫という、ごく日常的に見慣れた場所で、そういうことをやっていた、ということだ。
あたしだってもう中3だし、年頃の男女がそういうことをするのむしろ当たり前だ、と分かっているつもりだったけど、その一方で、ああいうのは映画やドラマ、マンガや小説の登場人物だけが行なう非現実的で特別な行為みたいな気がしていたのも事実だ。