熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
今まで雲の上の存在だった神さまの右手が、あたしなんかの右手とあっけなく結ばれ、そして互いに握り合った。


暖ったかい…。なんて、暖ったかい手をしてるんだろう……。

あたし、今まで、こんなに暖ったかい手と握手したことって一度もないよ……。

神さまの手はやっぱり暖ったかいんだ……。

なんか涙が出てきそう…。

…ってか、もう出てるし……。



パシャ!



一瞬、何が起こったのか分からなかった…。

「お前、いまスッゲェいい顔してるよっ」

声のしたほうを見ると、そこにケータイ写メであたしを撮ろうとしている男の人。

「なぎさちゃんの彼氏ぃ~?」

神さまが面白がってるみたいな感じで、あたしに訊いてきた。

「か、彼氏じゃっ…!」

その瞬間、耳まで一気に熱くなるのを感じ、そして全身に汗が吹き出すのを感じた。

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