熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「お、同じ学校のヒトですっ…!」

同じ学校のヒト、その名は比嘉航平。

「せっかくだから一生の思い出にもう1枚撮ってもらおうぜ。はい、笑って~」

あたしは彼に言われるまま、神さまと握手しながらカメラのほうを向いて笑った。

「はい、チーズ!」

パシャ!

だけど、突然すぎる彼の登場にあたしの笑顔は、思いっきしひきつっていたような気がする。

「ありがとうございました♪」

「あ、ありがとうございました!」

彼とあたしは並んで神さまにお礼を言うと、まだまだ続いているサイン会の長蛇の列から離脱した。


「実はさ、俺も、さっき握手してもらったんだけどさ…」

本屋さんの外に出ると彼が言った。

「魚住ととの手ってさぁ、そーとー熱くなかった?」

「………」

あたしはもともと人見知りが激しいほうだ。ましてや、不意に突然現れた比嘉くんとフツーに話なんてできるはずもない。
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