熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
「みさき、ゼッタイ、なぎさちゃんが体験者第1号になると思ってたのになァ」
「えっ!?」
一瞬あたしは自分の耳を疑った。
みさきちゃん、あたしのこと、簡単に男の人と抱き合ったり、キスしちゃうような軽~い女だと思ってた?
みさきちゃんにそんなふうに思われてるなんて、あたし夢にも思わなかったよ……。
なかよしだと思っていた彼女の何げないひとことに、あたしは少し、でもたしかに凹んだ。
でも、あっけらかんと聞き捨てならないことを言うのは、みさきちゃんにとっては日常茶飯事だった。
彼女に悪気がないのも分かっている。単に、相手の立場に立って考えるということができないだけのことだ。
だからあたしは気にしていないフリをして、なんであたしが第1号になると思ったのか、努めてフツーな感じで訊いた。
すると彼女は、やはりあっけらかんとこう言った。
「だって友達の中で一番最初に生理が来たのはなぎさちゃんだったし、一番最初にブラジャーをしたのもなぎさちゃんだったじゃん」