熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
みさきちゃんが恋のライバルなら、あたしにゼッタイ勝てるワケない――――
そのとき、ふぅっと、あたしの頭の中に遠い昔の記憶がよみがえってきた。忘れかけていた記憶じゃない。忘れようとしても、忘れられない記憶だ。
それは小っちゃい頃に背負わされた重い重い十字架であり、深くえぐられ、決して消えることのない心の傷・トラウマだった。
実はあたしには、幼稚園の頃、すっごく好きな男のコがいて…、今になって当時の写真を見ると、あんなコのいったいどこがよかったんだろう?と思うけど……とにかく幼稚園に好きな男のコがいた。
そして相手のコのほうもあたしのことが好きだったから、2人はいわゆる相思相愛の関係だったワケ。
「アタチ、ヒロシくんのおヨメちゃんになりたい」
「おー。ボクが、なぎさちゃんのこと、おヨメちゃんにしてあげるゼィ」
…なんて、今になってみると実に早熟な会話をしていたあたしたちだったんだけど、悲劇はある日、突然起こった。
ある冬の日のこと。あたしたちは幼稚園から帰ったら、数年後に控えた結婚生活の予行演習として(ウソつけ!)、近くの公園でママゴトをして遊ぼう、って約束をした。
そのとき、ふぅっと、あたしの頭の中に遠い昔の記憶がよみがえってきた。忘れかけていた記憶じゃない。忘れようとしても、忘れられない記憶だ。
それは小っちゃい頃に背負わされた重い重い十字架であり、深くえぐられ、決して消えることのない心の傷・トラウマだった。
実はあたしには、幼稚園の頃、すっごく好きな男のコがいて…、今になって当時の写真を見ると、あんなコのいったいどこがよかったんだろう?と思うけど……とにかく幼稚園に好きな男のコがいた。
そして相手のコのほうもあたしのことが好きだったから、2人はいわゆる相思相愛の関係だったワケ。
「アタチ、ヒロシくんのおヨメちゃんになりたい」
「おー。ボクが、なぎさちゃんのこと、おヨメちゃんにしてあげるゼィ」
…なんて、今になってみると実に早熟な会話をしていたあたしたちだったんだけど、悲劇はある日、突然起こった。
ある冬の日のこと。あたしたちは幼稚園から帰ったら、数年後に控えた結婚生活の予行演習として(ウソつけ!)、近くの公園でママゴトをして遊ぼう、って約束をした。