熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
ソレって、あたしが早熟だってコト? でも生理がきたりブラをしたのが一番だからって、体験するのが一番って発想はどぅなの?
なんか、分かるような分からないような理由だった。でもソレはいかにも、みさきちゃんらしい解答で、凹んでいたあたしの気持ちも気がつくとノーマルの状態に戻っていた。
「なぎさ、いつまでテレビ見てるのっ? おフロから上がったんなら、さっさと部屋に戻って勉強しなさいっ」
突然、背後から母のヒステリックな声が聞こえてきた。
さっき、あたしと入れ替わるように、おフロに入っていた母が、いつの間にか上がってきていたみたい。
「もォ、うるさいな~、別にテレビなんか見てないよ」
母にしてみれば、おフロあがりにリビングのソファーに座って、のんびりテレビを見ているようにしか見えなかったんだと思う。
たしかに目はテレビのほうを向いていた。だけどあたしの興味は台風情報とはまったく別のところにあった。
「じゃあ、早く勉強しなさいっ。みさきちゃんはもう勉強してるわよっ」