熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~
メールにして送れる程度で、そんなに長い文章は送信していない。ほんの1シーンだけ。それを全部読み上げるにしては、返事がくるのが遅すぎるような気がする。
スグに返事するとは言ってなかったし、ひょっとして今日は返事しないつもり?
それともあたしの小説があんましひどすぎて、返事する気力もなくしちゃったとか。
それもありえないことではないと思うけど、でも……。
でも、彼からの返事がくるまでは夏休みの宿題なんて、とてもじゃないけどする気にはなれない。
部屋の壁掛け時計を見る―――――
まだメールを送ってから1時間くらいしか経ってない。
だけど、あたしにはその1時間が、何日間にも、何週間にも、何年間にも思えて。
切なくて、苦しくて、心細くて。
そして、瞳の奥が熱くなってきて。
じわっ…。
今にもあたしは、泣きそうだった。…ってか、もう泣いていた―――――